畑を超えて ・ パーマカルチャーは生き方である
- 10 時間前
- 読了時間: 3分

パーマカルチャーは、単なる家庭菜園の方法ではありま
せん。
それは「土地を搾取する資源」としてではなく、共に生きるパートナーとして捉える設計思想です。
1970年代にビル・モリソンとデビッド・ホルムグレンによって提唱され、「パーマネント(永続的)」と「アグリカルチャー(農業)」、そして後に「カルチャー(文化)」を組み合わせた言葉として生まれました。
つまり、崩壊せず持続できる仕組みをつくるという思想です。
ここでは、その哲学を支える重要な柱をご紹介します。
1.3つの倫理的原則
パーマカルチャーのあらゆる判断は、次の3つの視点に照らして考えられます。
● 地球への配慮(Earth Care)
健全な生態系なくして人類の繁栄はありません。
単に「汚染しない」のではなく、土壌を再生し、自然を回復させることが目的です。
● 人への配慮(People Care)
食料、住まい、つながりといった基本的なニーズを満たし、人が尊厳と創造性を持って生きられる環境を整えること。
● 公平な分かち合い(Fair Share)
余剰(時間・エネルギー・資源)を再び地球と人に還元すること。
有限の地球で無限の成長を求める考えは幻想である、という認識です。
2.自然と戦わず、自然と協働する
従来の農業では、雑草や害虫は「排除すべき敵」と見なされてきました。
しかしパーマカルチャーでは視点を変えます。
「問題そのものが解決策を示している」
例えばナメクジが増えたなら、問題はナメクジではなく、それを食べる存在が不足していることかもしれません。
症状を抑え込むのではなく、生態系全体を観察し、欠けている要素を補うのです。
森には肥料も農薬もありません。それでも豊かに循環しています。
パーマカルチャーは、その自然の効率性を模倣します。
3.すべてはつながっているという原則
パーマカルチャーでは、どの要素も孤立しません。
一つの要素は複数の役割を持ち、一つの機能は複数の要素によって支えられます。
例:
鶏:卵を産む/土を肥やす/害虫を減らす
生垣:防風/受粉昆虫の住処/果実の収穫
果樹:食料/日陰の提供/土壌の安定
こうした密度の高い関係性が、干ばつや経済変動などの外的ショックに強い「レジリエントな仕組み」を生み出します。
4.観察から始める、ゆっくりとした設計
工業的農業が地形を変え、自然を制御しようとするのに対し、
パーマカルチャーはまず「観察」から始まります。
水はどのように流れるか。
風はどこから吹くか。
季節ごとに影はどう動くか。
土地を深く理解してから、小さな介入を行う。
最小のエネルギーで最大の効果を生む設計が基本です。
ISOLACARAのこれから ― 京築(福岡県・九州)での挑戦
ISOLACARAはこれまで、サルデーニャ島の食文化を日本へ届けてきました。
しかし私たちは「届ける」だけでなく、日本の土地と共に育てる未来も描いています。
次のステップとして、
福岡県・九州の京築エリアにおいて、
パーマカルチャーの思想を取り入れた小規模な栽培プロジェクトを始めることを目標にしています。
土地を尊重し、
自然の循環を活かし、
地域と共に歩む農のかたち。
それは単なる生産ではなく、
文化を根づかせる行為です。
結びに
パーマカルチャーとは、
自然の「主人」になることではなく、
自然の守り手になること。
より多くの収穫を得ることだけが目的ではありません。
人間の営みが地球を豊かにする未来を設計することです。
ISOLACARAもまた、
食を通してその未来づくりに参加していきたいと考えています。
それは畑づくりを超えた、
生き方そのものの選択なのです。
パーマカルチャーのについて、より踏み込んだ分析は、イタリア語の記事も参考になるでしょう >>「Oltre l’Orto: perché la Permacultura è una Filosofia di Vita」








コメント